2021年11月18日(木)、ふくしワザを利用する福祉事業所の職員に向けて、デザイナーの和田武大さんと編集者の高木大吾さんから、人に伝えるための言葉とデザインについてレクチャーをしていただきました。
まずはデザイナーの和田さんからです。
「デザインとは伝えたいことを伝えるための工夫です!」
相手に何を伝えたいか、想いをどうやって届けるのかを考えるのがデザインです。普段から見るということを無意識にしているので、少しだけ意識を変えるとデザインに対するハードルが低くなると思います。
「形や色によって伝わり方は変わる」
文字の形によって伝わるイメージが違います。例えば明朝体ではかしこまった伝わり方になります。色でいえば、食品のチラシを作るのに紫色を使うと腐っているようなイメージになり、デザインとしては良くありません。伝えたい内容が何なのかに合わせて、一番最適な形や色を選んでいくのが工夫です。
「伝えるためのコツ」
〇見る人の視点になる! 誰に見てほしい?見たら?を想像
普段は選ぶ側として、楽しそうと感じるイベントや行ってみたい場所、食べてみたい物などをチラシやウェブから選んで行動をおこします。発信する側のときは、自分たちの想いだけでは伝わりにくいので、見る人の立場を忘れないでください。
〇デザインはラブレターだ どうやったら思いは伝わる?
相手に伝えたい気持ちをどう伝えるかを考えることで、情報が整理されます。
〇伝える情報を整理整頓する! 言いたいことばかり言ってはダメ!
あれもこれも、すべて言いたくなりますが、一旦整理整頓することが必要です。下書きをしてから伝えたいことを選ぶことも有効です。
〇実際の状態で見てみる パソコンで見てみる、スマホで見てみる
ふくしワザに登録した際には、必ずパソコンのブラウザやスマホで確認するようにしてください。どういう風に見えるのか確認することはとても重要です。チラシでも同じことが言えます。パソコン上のデータだけではなく、必ず出力した紙で確認するようにしてください。置く場所やサイズも考えましょう。
〇生活のなかで、よーく観察する 日常生活で観察!ヒントたくさん!
ふくしワザのなかにも見せ方が上手な事業所がたくさんいます。ぜひいろんなものを観察してください。ヒントとしてインプットしておくと、アウトプットの時に役立ちます。
〇いいな!と感じたものを、自分の事業所ならどうする?どうなる?と考える
例えば写真を撮るときの配置や小物の使い方などでおやつの時間が楽しそうに見えたり、人が笑顔だったらやっぱり楽しさが伝わります。自分の事業所だったらどうか、ということを考えてみてください。
〇みんなで考える
どうしても発信することが後回しになってしまいがちです。日々の観察によって、そうした少しの手間や不慣れなものが楽しくなります。仲間と一緒に話しながら楽しく進めるのがいいかもしれません。
次は編集者の高木さんです。
「WEBライティングの基本のき」
1. 読む人のことを想像する
書くということは、誰かに伝えるという行為です。ふくしワザの場合であれば、伝える相手は主に神戸市内の企業になりますが、一口に企業といっても事業所の商品やサービスによって読み手はさまざまです。従業員数や男女比率、年齢など、どんな人が発注するか想像してみてください。発注をする担当者がどんなギフトを探しているか、屋外/屋内作業でどんなところで困っているのか、どんなシチュエーションか、どこのエリアなのか、というところまで想像をふくらませてみてください。
2. 読む人の視点に立つ
ふくしワザに登録されている事業所さんのなかには、食品を取り扱っている事業所さんも多いと思います。その業界で活躍している大手企業の商品紹介ページなどが参考になるので、ぜひ見てください。
言葉は誰を主語にするかによって変わります。取り扱い商品の紹介ページで使っている言葉が、果たして情報を受け取る人から見たときに身近な言葉になっているのかを考えてみてください。
例えば、ふくしワザのなかには「内職作業」をサービスとして登録している事業所が多くありますが、発注側からすると、具体的にどんな作業ができるか、どんな強みがあるのかが書かれている方が、圧倒的に選びやすくなります。一例ではありますが「内職」は、対応できる各サービス内容を個別の商品ページとして掲載したほうがよいと思います。
3. 伝えたいことを短くまとめる
人が一気に読める情報量は限られているので、言いたいことをたくさん詰め込んでしまうと読みづらくなってしまいます。言いたいことは3つ、多くて5つぐらいにまとめましょう。例えば、商品であれば以下のようにまとめられます。まずは、これらを含めるのがよいと思います。
・特徴と強み
・素材
・用途
・対象
・商品ができた背景や物語
商品ができた背景はとても大切ですが、物語の部分だけが強調されてないように、語りたいストーリーだけではなく、商品やサービスの客観的な情報をしっかりと押さえておきたいところです。
4.検索ワードを意識する
サービスや商品を購入する人は、どのようなキーワードで検索してふくしワザのページに辿り着くのか、想像してみてください。例えば、「神戸」「洋菓子」「ギフト」などといったキーワードで検索されるとします。すると、そういった検索されそうなキーワードを商品説明などに含むようにすると、少しでも検索結果に掲載されやすくなります。
まとめ
これで講座は終了になります。みなさんにたくさん登録いただき、ページを作ってくださることがふくしワザの成長になり、みなさんのためになります。一緒に神戸市の福祉を盛り上げていけるよう取り組んでいきましょう。
事業所掲載申請はこちらから行っていただけます。