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【インタビュー】農業:本当に”いいもの”だから取り扱う。FARM CIRCUSで福祉事業所の野菜を取り扱う理由

神戸市・北区にある日本最大級のテーマパーク型道の駅として2017年にリニューアルオープンした、神戸フルーツ・フラワーパーク大沢内にある「FARM CIRCUS」。今回は、その統括マネージャーである葛西さんにお話を伺いました。神戸の企業や農家の商品・野菜の販売のほか、野菜をふんだんに使った料理が食べられるフードコートやレストランの運営なども行なっています。神戸市内に数ある農家、企業のなかから福祉事業所でつくられる野菜や商品を取り扱う理由を教えていただきました。

福祉事業所とどのようなお仕事をしていますか?

上野丘更生寮(上野丘ファーム)さんから、ナスや大根やほうれん草、スイカなど季節にあわせた野菜を出荷いただいています。他にも米粉や自家栽培した野菜を使った乾燥野菜の加工品などを取り扱っています。フルーツ・フラワーパーク全体でいうと植栽の手入れもお願いしています。

道の駅としてオープンした2017年からご一緒させていただいています。作物の量は敷地の広さで決まってしまうのですが、大きな敷地でたくさんのお野菜をつくって出荷いただいている上野丘ファームさんにはとても助かっています。

一緒に仕事をするメリットは何ですか?

たくさんのお野菜を出荷していただけていることがメリットの1つです。農業をされる方の平均年齢は67歳と言われていて、若い方で農業を始められる方も少ないです。やはり管理の目が行き届いていないと良いお野菜はできません。そんななか、障がいの有無に関係なく、きちんとお仕事されていて、安心安全なお野菜をいつも提供してくれているので感謝しかありません。

また、私たちは道の駅なので、地元の商品を取り扱うことを大事にしています。神戸の農家さんを応援できているということが嬉しいです。

福祉事業所でつくられた商品も、ほかの商品と同じように陳列しています。福祉事業所でつくられたということを押し出してはいません。「本当に良いものだから取り扱っている」ただそれだけなんです。実際に商品を買われたお客様が後から気になって調べて、それが福祉事業所でつくられたものだって知る、といった流れが自然だと思います。

これから福祉事業所とお仕事をされる方に伝えたいことはありますか?

福祉事業所の担当職員とコミュニケーションをしっかりとっているので、特に困ることなく対応ができています。一緒にお仕事をするメリットはたくさんあります。障がいのある方がつくっているというそれだけのことで、メリットが生かされないものになってしまうことは残念なことです。

障がいのある方もそうでない方も、同じように得意なこと、苦手なことがあります。上野丘ファームさんの野菜はすごく丁寧につくられていて、そういった作業が得意な利用者さんがつくられているのかなぁと感じています。つくられているモノをみて、「本当に良いものだから取り扱っている」それだけのシンプルな話なんです。

制作:ふくしワザ編集部